食事のマナーの基本 6
⑥文化によって異なる食事のマナー
食事のマナーは文化によって違います。
色々な国や地域に、さまざまな文化があるからこそ、食事のマナーも、それぞれの地域や国によって多種多様になるのです。
どれが正しくて、どれが間違っているということはありません。「郷に入れば郷に従え」という言葉があるように、それぞれの国や地域では、それぞれのマナーが正しいのです。
例えば、日本では料理を手づかみで食べるのはおにぎりや握り鮨を食べるときくらいで、その他は箸を使って食べます。
ご飯やおかずを手づかみで食べることなど、考えられません。ところが、インドでは料理は手で食べるのがふつうです。
また、右手を聖なる手とするヒンドゥー教徒が多いインドや、左手を不浄とするイスラム教徒が多い国や地域では、食事をする時には左手を使わないなど、宗敦的な理由による習慣の違いもあります。
同様に、ヒンドゥー教の牛肉、イスラム教の豚肉など、宗教の戒律によって食べることが禁じられている食材もあります。
まさに千差万別。
食に関する習慣・マナーはそれぞれの地域の文化を如実に表わしているのです。
●韓国では食器を持ち上げない
日本では、ご飯をいただくとき、お茶碗を持ち上げて、箸を使って食べますが、韓国では、お茶碗を持ち上げるのはマナー違反になります。
お茶碗はテーブルに置いたままで、箸ではなくスプーンでご飯をすくって食べます。箸は、キムチなどのおかずを食べるときに使います。スープなどの汁物も、日本の味噌汁のお椀のように持ち上げず、スプーンですくって口へ運びます。
もともと、韓国のお茶碗は金属製のものが多いので、手に持つとやけどするおそれもありますが、それ以前に食器を持ち上げて食べることがマナー違反とされています。
また、配膳のときも、日本では箸やスプーンなどは先端を左側にして手前に横向きに置くのがふつうですが、韓国では先端を奥にして縦に置くのが習わしです。
その他にも、お酒を飲むときは、韓国では自分の正面に目上の人がいる場合は、顔を横に向けて飲むなど、上下関係に厳しい儒教の教えが食卓にも色濃く残っています。
日本人にとっては、何だか韓国の食事に関するマナーは堅苦しいように思えますが、そうでもありません。
例えば、座敷などに上がるとき、日本の男性はあぐらをかいて座りますが、女性がそんな座り方をしたら「はしたない」と言われかねません。
韓国では男性だけでなく、スカートをはいている女性もあぐらをかきます。
伝統衣装のチマチョゴリを美しく見せるための正しい女性の座り方とされているそうです。
すぐ隣の韓国と日本を比べてみても、こんなに違っているのです。