いきいきダイエットのための栄養学
五大栄養素と食物繊維、抗酸化物質
やせるために食事を減らすということは、おしなべてすべての栄養素を減らすことではありません。
食事量を減らしたために、肌につやがなくなり、元気がなくなったり、貧血になったり、病気に対する抵抗力が落ちたりしたらもともこもありません。
食事量を減らすというのは、正確にはそれまで不必要なのにとりすぎていた分を減らすことです。
必要な栄養素をバランスよくとることは欠かせません。食物繊維や抗酸化物質などを上手に活用することも重要です。
<糖 質>
● 生命維持に欠かせないエネルギー源
● 脳細胞の活動に欠かせない
● ほかの栄養素より消化吸収が速い
● インスリンの分泌を刺激しやすい
単純糖質 ― たやすく吸収されてしまう
複合糖質 ― 腹持ちがよい
<たんぱく質>
● 筋肉、内臓、血液、骨づくりに不可欠
● 遺伝子の構成成分
● ホルモン、消化液の構成成分
● 必須アミノ酸は体内で合成できないので食事でとらなければならない
動物性たんぱく質 ― 脂身の少ない部分を選ぶ
植物性たんぱく質 ― 大豆、大豆製品は低脂肪で良質
<脂 質>
● 1gで9kcal。糖質やたんぱく質(4kcal)の2倍以上のエネルギーがある。
● コレステロールは細胞膜やホルモン、胆汁酸の成分として欠かせない。
● 脂肪酸により作用が異なる。
・肉の脂肪、乳脂肪 → コレステロールを上げる
・リノール酸(サフラワー油、ひまわり油)
→ コレステロールを下げる
→ 善玉コレステロールも下げてしまう
・オレイン酸(オリーブ油) → 悪玉コレステロールだけ下げる
・EPA、DHA(魚油)、αリノレン酸(しその実、大豆油)
→ 血液をさらさらにする
→ 中性脂肪を下げる
<抗酸化物質>
細胞の酸化を抑え、免疫力を高め、動脈硬化やがんの予防に役立つことで注目されています。
・カロチン ― にんじん、赤ピーマン、トマト、かぼちゃなどの緑黄色野菜
・ビタミンC ― 柑橘類、緑黄色野菜、いも
・ビタミンE ― 種実類、緑黄色野菜、大豆
・ポリフェノール ― 赤ワイン、ココア、緑茶、ブルーベリー、玉ねぎ、いも、大豆、鮭
<食物繊維>
食物成分のうち消化されないものの総称で、栄養にはなりませんが、以下のような働きがあることから病気の予防に役立ち、1日20~25gとるのがよいとされています。
・かむ回数を増やし、早食いを防ぐ
・便のかさを増やし、便秘、大腸がんを防ぐ
・水を吸収して胃でふくらみ満腹感をもたらす
■ おもなビタミン・ミネラル ■
【種類】 【おもな働きなど】 【おもな供給源】
<水溶性ビタミン>
ビタミンB1 糖をエネルギーに転換するときに 豚肉、レバー、牛乳、卵黄、豆
かかわる 類、胚芽、淡水魚類、たらこ、
緑黄色野菜
ビクミンB2 糖、脂質、アミノ酸の代謝に必要 豚肉、レバー、牛乳、卵黄、豆
類、胚芽、納豆
ビタミンC コラーゲンの生成に関与、鉄の吸 緑黄色野菜、柑橘類、いちご、
収を助ける アミノ酸、ステロイ かき、いも、淡色野菜
<脂溶性ビタミン>
ビクミンA 皮膚粘膜を傭康に保つ レバー、バクー、チーズ、卵黄
カロチン 抗酸化作用をもつ *緑黄色野菜(カロテン)
目の機能を正常に保つ
(過剰症を起こすことがある)
ビクミンD カルシウム・リンの吸収、沈着を いわし、うなぎ、かつお、
促す(過剰症を起こすことがある) レバー、チーズ、バター、
しいたけ
ビクミンE ビタミンA、不飽和脂訪酸の酸化 胚芽、緑黄色野菜、豆類、
を防止する 老化訪止に役立つ レバー、卵黄、種実
<ミネラル>
カルシウム 骨・歯の材料 牛乳・乳製品、海草、
心筋の収縮作用にかかわる 骨や殼ごと食べる小魚やさくら
血液凝固作用にかかわる えび、緑黄色野菜
神経の感受性を鎮める
鉄 血液中のヘモグロビンを構成し レバー、肉や魚の赤身や血合い
全身に酸素を供給。不足すると 部分、卵、緑黄色野菜、
貧血になる レーズン、プルーン
カリウム 心臓・筋肉機能を調節
ナトリウムなどとのバランスを 果物、いも、野菜
保つ