内臓脂肪型肥満から“死の四重奏”へ
内臓脂肪型肥満は、高血圧症、高脂血症、糖尿病を引き起こしやすくなります。
この4つが重なった病態は「死の四重奏」症候群ともいわれ、狭心症や心筋梗塞、脳卒中など動脈硬化性の病気を引き起こす確率が30倍以上に上昇することがわかりました。
食糧難の環境で太っている人は、体脂肪を備蓄できるエリートでした。
しかし、飽食の時代では、油断すると、おなかの中に体脂肪をため込みすぎ、「たたけばホコリの出るからだ」となることを肝に銘じましょう。
・“死の四重奏”の危険度は?
肥満に高血圧、高脂血症、糖尿病が重なると「死の四重奏」症候群といい、心筋梗塞や脳卒中の原因となる動脈硬化が進行しやすくなります。
太りすぎとわかったら、こうした動脈硬化を進行させる合併症もチェックし、危険度に応じた対策をこうじることが必要です。
肥満に伴いやすい生活習慣病は、いずれも症状が出てくるまでに時間がかかります。
家庭の医学書を読むと「糖尿病になると、夜中にトイレに起きる、のどが渇く」というような記述をよく目にします。
しかし、このような症状がはっきりと出てくるのは、成人の場合糖尿病になってから10年以上も経過してからというのが普通です。
ですから、糖尿病になっても10年以上もほとんど無症状のまま、ひそかに、病気が進行していくというわけです。
高血圧は別名「サイレントキラー」(静かなる殺人者)とも呼ばれているように、他の生活習慣病の多くも本人が気づかぬうちに、病気が静かに進行してしまう点がもっとも怖いということになります。
ですから、ウエストがきつくなった、ベルトの穴が増えたというサインこそが、実は、多くの生活習慣病の「初発症状」であると認識することがもっとも重要なポイントです。