体脂肪計、体組成計の上手な使い方
最近は、体重と体脂肪率を同時に測定できる器具(体脂肪計)や筋肉や骨などの除脂肪組織Lean Body Mass (LBM)、内臓脂肪まで表示する器具(体組成計)が普及してきました。
現在、市販されている体脂肪計や体組成計の多くは、手や足の電極から微弱な電流を流して、体全体のインピーダンス(電気抵抗)を測定し、この値をもとに体脂肪率を算定する仕組みになっています。
私たちの体は水分をほとんど含まない脂肪組織と水分を多量に含む除脂肪組織(筋肉、骨、体液など)の2つに大別されます。
水のなかを電気はよく通りますが、水と脂は一緒にならないので脂肪組織には水分が少ない分電気が通りにくく、電気抵抗は上昇するのです。
そこで、除脂肪組織の多い人の体の電気抵抗は低くなり、逆に体脂肪の多い人では電気抵抗が上昇します。
この原理を応用して、体重測定と同時に体全身のインピーダンスを測定して、簡単に体脂肪率を推定することが可能になったのです。
さて、この体脂肪率を算定する計算式はメーカーにより異なるため、別の会社の機械で測定すれば当然異なった値が出ます。
また、同じ機械でも、1日のうちに何回も体脂肪率を測定すると、やはり毎回異なった値が出るのがふつうです。
なぜなら、人体のインピーダンスは刻々と変化しており、朝の起床直後が一番高く、その後低下して夕方から夜にかけて安定するためです。
すなわち、朝一番で測定した体脂肪率は実際より高めに出る可能性が高いのです。
また、からだの電気抵抗は、体内の水分量や体温、姿勢や動作に伴う体液の移動などの影響を受けます。
たとえば運動で汗を流したあとは、体重が減る一方で、体脂肪率は高めに出るのが普通です。
運動、食事、入浴の前後など、体内の水分や体温などが急に変化した直後には、インピーダンスが大きく変動するため、正確な測定には適さないということを銘記しておくことが大切です。
できれば、夕方から夜、いつも決まった時間に同じ条件で1日1回だけ測定し、その値を数日~数週間ごとに比較するという使い方が一番すすめられます。
さらに、体重に体脂肪率を掛ければ体脂肪の絶対量が求められるので、体重の変化とー緒に体脂肪量の変化を記録しておけば、常に身体組成の変化の概要を把握しておくことが可能になり、ダイエット効果を正確に分析することができるようになります。