食事の大切さを見直そう 2
②家族団欒やコミュニケーションの場
人間は、生きて行くために必要な栄養分が含まれた食事を、ただ食べてさえいればよいのかというと、そんなことはありません。
私たちは、空腹を感じると食事をし、食べることによって食欲が満たされます。
しかし、一人でただ黙々と食べているだけでは、何となく物足りなさを感じるものです。
一人で食べるのと、親しい人と一緒に食べるのとでは、同じ食事でも、得られる満足感は大きく違ってきます。
家族や大切な人と和やかに食事をするときや、友人たちとにぎやかに食べるときはとても楽
しく、心もなごみ、食欲も増すのです。
つまり、食事は、家族団欒を始め、人と人とのコミュニケーションを深める場であり、人を幸せにする場としての役割も果たしているのです。
●「おいしい」と感じて食べることが大事
また、同じ内容の食事でも、ただ単に食べるのと、「おいしい」と感じながら味わって食べるのとでは、栄養の吸収率が変わってくることが分かっています。
人間は、「おいしい」と感じることで脳が刺激され、胃酸や消化酵素などが分泌され、栄養を効率的に吸収するための態勢ができあがります。
一人で食べるより、みんなで食べた方が、同じ料理がおいしく感じられるという経験は、誰もが持っていることでしょう。
楽しく食事をすることで、栄養分の吸収力も高まり、ストレスが解消され、精神的安定感や充実感を得られるのです。
さらに、一人で黙々と食べていると、つい早食いになってしまいがちです。また、好き嫌いを直せず、栄養が偏る心配もあります。
親しい人たちと食卓を囲み、楽しく食事をすると、ゆっくり時間をかけて食べることになるので、結果的によく噛んで食べるようになり、消化や栄養の吸収の面からも一人で食べるよりも効率的です。
生きて行くために欠かせないものだからこそ、心身ともに豊になれる、楽しい食生活が求められるのです。