季節・郷土料理・行事食1
● おせち(御節)料理
「おせち」は、正月や五節供などの節日(せちび)に神に供える御節供(おせちく)の略称ですが、今日では正月に食べる重詰めの料理を指します。
四重の重詰めの場合、上から一の重に口取りや祝い肴、二の重に焼き物、三の重に煮物、与の重に酢の物を入れるのが一般的です。
おせち料理にはそれぞれ、正月にふさわしい、おめでたい由来があります。
・(数の子)……数の子はニシンの卵巣で、ニシンは「かど」とも言うので、かどの子がなまって数の子になったと言います。卵巣には数万の卵があり、子孫繁栄を表します。
・(黒豆)……「まめで健康」を意味し、一年の無病息災を願う食べ物です。
・(田作り)……片ロイワシの稚魚の素干しを煮たものです。その昔、稲を植える時に小イワシを細かくきざみ、灰にまぜて肥料にしたことから、稲の豊作と米の味がよくなることを願い、田作りと言うようになったそうです。五穀豊饒を意味する「五万米」とも呼びます。
・(こぶ巻)……「よろこぶ」につながり、縁起がよく喜ぶことがあるように。