『食育』の柱 1
食育の中には、忘れてはいけない3つの柱があります。
●食の柱1
「躾(しつけ)」
食育の中の躾とは、食事作法を身につけることになります。
子どもや若者たち、そして最近ではお母さんたちの世代にまで、乱れた食生活、誤った食生活が見られます。
6つの「こ食」にあらわされる乱れた食生活は、体に悪いだけでなく、わがままでキレやすい子どもをつくるなど、心の成長にも大きな陰を落としているのです。
食卓は、お腹を満たすだけの場所ではありません。
「いただきます」という言葉とともに、
・生物の命をいただいていることへの感謝
・料理をつくってくれた人への感謝
の気持ちを育む大切な場です。
また、
・子どもたちへ正しい箸の使い方
・食べものを粗末にしないこと
・家の手伝いをすること
など、きちんとしつける場でもあるのです。
現代の家庭では、家族全員がそろって食事をすることは難しくなっているのかもしれません。しかし、日本には、長年受けつがれてきたすばらしい食文化があります。
私たち親世代は、子どもたちの体と心の健やかな成長と未来のためにも、ぜひ家族団らんの中で食事の作法や正しい食習慣を教えてあげるべきなのです。
・「食事の大切さ」
食は言うまでもなく、食事をすることの第一の意味は、私たちが生きて行くために欠かすことのできないエネルギーと栄養を補給することです。
人間は自分の体でエネルギーを生産することができませんから、私たちが活動を続けるために必要なエネルギーは、
・ご飯やイモ類などに含まれる糖質
・魚類・肉類・大豆製品などに含まれるタンパク質
・植物性油脂・動物性油脂などの脂質
から摂取しなければなりません。
また、生理機能を調節するために必要なビタミン、ミネラルなどの栄養素も、同様に体内で生産することができないため、野菜類・海藻類・きのこ類などの食べ物から摂ることに
なります。
こうして食べ物からエネルギーを摂取しなければ、私たちは生きていくことができません。
生命維持のために、そして子供たちが成長してくために、食事は絶対に欠かすことができないものなのです。
・「家族団らんでコミュニケーション」
人間は、生きて行くために必要な栄養分が含まれた食事を、ただ食べてさえいればよいのかというと、そんなことはありませんよね。
私たちは、空腹を感じると食事をし、食べることによって食欲が満たされます。
しかし、一人でただ黙々と食べているだけでは、何となく物足りなさを感じるものです。
一人で食べるのと、親しい人と一緒に食べるのとでは、同じ食事でも、得られる満足感は大きく違ってきます。
家族や大切な人と和やかに食事をするときや、友人たちとにぎやかに食べるときはとても楽しく、心もなごみ、食欲も増すものです。
つまり、食事は、家族だんらんを始め、人と人とのコミュニケーションを深める場であり、人を幸せにする場としての役割も果たしているのです。
・「おいしい」と感じて食べることが大事
また、同じ内容の食事でも、ただ単に食べるのと、「おいしい」と感じながら味わって食べるのとでは、栄養の吸収率が変わってくることが分かっています。
人間は、「おいしい」と感じることで脳が刺激され、冒酸や消化酵素などが分泌され、栄養を効率的に吸収するための態勢ができあがります。
一人で食べるより、みんをで食べた方が、同じ料理がおいしく感じられるという経験は、誰もが持っていることではありませんか?
楽しく食事をすることで、栄養分の吸収力も高まり、ストレスが解消され、精神的安定感や充実感を得られるのです。
さらに、一人で黙々と食べていると、つい早食いにをってしまいがちです。早食いは、ダイエットをする人には1番に止めてもらいたい行動のひとつです。
また、好き嫌いを直せず、栄養が偏る心配もあります。
親しい人たちと食卓を囲み、楽しく食事をすると、ゆっくり時間をかけて食べることになるので、結果的によく噛んで食べるようになり、消化や栄養の吸収の面からも一人で食べるよりも効率的です。
生きて行くために欠かせないものだからこそ、心身ともに豊かになれる、楽しい食生活が求められるのです。