『食育』の柱 2
食育の中には、忘れてはいけない3つの柱があります。
●食育の柱2
「教育の場」
食前食後のあいさつはもちろん、箸の上げ下ろし、食器の持ち方、食べる時の姿勢、食べ物を口に入れたまましゃべらない、不快な音を立てない、好き嫌いをしない、出されたものを残さず食べるなど、「食事」という行為を通して、子供たちは「礼節」を学び、食べ物に感謝する心、食べ物を大切にする心を育んでいきます。
もちろん、これらの食事のマナーなどをただ厳しくしつけるだけでなく、家族で食事をすることの楽しさを共に体験することで、子供たちは食事をすることの意味、楽しさを理解するようになります。
また、毎日の食事の中では、食事のマナーだけでなく、さまざまな食材や調理法を通して、日本の食習慣・食文化についても学んでいくことができます。
文字どおり「日常茶飯事」的に行われる食事が、まさに大切な子育ての場にもなっているのです。
食事の回数は1日3回、1年では1095回にもなります。
食卓で子供たちをしつけ、教育する機会は、家庭と学校等で年に1000回以上もあるのです。
このチャンスを逃す手はありませんよね?
40年前は、おそらく家庭においては年に700~800回は家族揃って食事をしていましたが、時代が移り、社会環境も変わり、今では300回ぐらいになってしまったといわれています。
少なくとも毎日、最低朝と晩の2回は家族全員でゆっくりと食事する時間を持ちたいものです。
時間的ずれから2回は無理と言う家庭なら、1日1回を目安にし、1週間で食事をする回数を増やしていく方法を考えてみることもいいかもしれません。
子供の心身の発達にとって大切な時期である3~8歳の数年間は、特に重要です。
この時期に、一人きりの食事を子供にさせないよう、また、テレビを消して食事を共にすることが、健全な人間性を育成するために、親に課せられた義務であるといっても過言ではないのです。